学びの轍レポート

専門学位 保健衛生学 経営情報学で腹に落ちたこと

感情のコントロールアプローチと経営

 現代の組織の中でコミュ二ケーションが特に大切です。組織の人間関係が生産や経営の全てに影響を及ぼしています。このことを理解する上で論理的に学んだことを記したいと思います。

 そこで、アメリカ経営学における人間関係論の代表的な研究をいくつか紹介します。さらにそこから、現代の日本企業の経営で特に人事・労務管理の問題に与える教訓を考えてみたいと思います。

 

人間関係論の研究者と代表的な研究

メーヨーの生涯と業績
  メーヨー(George Elton Mayo1880‐1949)

 産業社会学者。オーストラリアのアデレードに生まれる。アデレード大学で医学,心理学を専攻、1911 年にクイーンズランド大学の論理学、倫理学、心理学の講師となり、19 年には新設の哲学講座の教授になった。 

22 年にアメリカに渡り、ペンシルベニア大学の研究員を経て26 年にハーバード大学ビジネス・スクールに招かれ29 年から 47 年まで教授として調査研究と後進の指導に大きな貢献をした。

最初は産業心理学や産業生理学の立場から産業における人間個人の諸問題を研究していたが、ホーソン実験Hawthorne experiments を契機に産業における人間関係の分析に研究を発展させた。 

 この実験は、シカゴのウェスタン・エレクトリック社のホーソーン工場で 1927 年から 32 年に行われた。

産業心理学の手法を使い、作業の物理的環境や生理的諸条件が、生産能率に与える影響を究明することが当初の目的であった。

しかし従来の定説をくつがえすような結果があらわれ、その意味でこの実験は失敗であった。そこでメーヨーはじめハーバード大学のレスリスバーガーたちの指導により、ひきつづき 5 年以上の実験の結果、

生産能率に従業員の態度や感情が大きな影響を与えることがあることと、それが企業内の人間関係と密接に関連しているという〈社会心理的要因〉の重要性を実証した。

この一見あたりまえのことを科学的に立証し、これによって企業内の従業員の行動や態度を理解する〈人間関係論〉という新しい立場を開拓し、その重要性を認識させたところにこの実験の画期的な意義がある。 

 

ホーソン実験1924年~1932年)
ウエスタンエレクトリック社のホーソン工場での実験

1.照明実験1924年11月~1927年4月)
 国立科学アカデミーの全国学術調査協会のイニシアチブで行われた。照明の質・量が作業能率にいかに影響するかの実験であったが、予想に反して,照明と作業能率には有意味な関係を発見できなかった。そこで、照明だけではなく、室内の温度、湿度、睡眠時間、食事、休憩時間、賃金の支払い方法などの作業条件を加味して実験したが、これらが能率や製品の品質に対して有意味な関係を発見することができなかった。この予想外の結果を解明するために,エルトン・メイヨーやフリッツ・レスリスバーガーらのハーバード・グループが招かれて実験に加わることになった。

 
2.継電器組立実験(1927年4月~1932年月)
  6人の女子工員を対象に,各種の物理的作業条件と作業能率の関係を調べたがここでも作業能率はこれらの作業条件とは無関係に変化し続けた。そこからメイヨーらは次のような結果を得ることができた。

 ①従来の強圧的な監督に代わって寛大な民主的な監督がおこなわれ、とくに作業中の自由な会話が許されたことによって心理的な満足が生じた。

 ②また自ら重要な実験に協力しているという参画意識が生まれた。

 ③さらに親密な自発的グループが発生したことによって会社に対する協力的な態度が生まれた。 

3.面接実験(1928年9月~1930年5月) 
  職場における監督方法の改善を意図して、合計21,126人の従業員を面接し、かれらの不平や不満を分析した結果、次のことが明らかになった。

従業員の態度は感情の体系によって支配されており、この感情の体系は個人的経歴や、社会的組織を通じて形成され、表現されるのであるから、かれらの態度を理解するためには、かれらを集団的・社会的な全体状況のなかでとらえなければならない。 

4.バンク巻取実験(1931年11月~1932年5月)
 集団請負制で働く3種類の作業集団を観察調査した結果、組織には明文化された公式組織のほかに、自生的な非公式組織が存在し、これが企業が示す規範とは、別の集団規範をその成員に課しており、かれらはその規範にしたがって生産高の抑制をしていることが分かった。 


  (1)作業能率に影響を与えるのは、労働者の感情である。


  (2)この感情に影響を与えるのは、非公式組織(インフォーマル組織)である。

 

メーヨーの基本理念

『産業文明における人間の問題』

 人間関係論は実際界にも、モラール・サーベイ(士気調査)や人事相談制度のみではなく、提案制度や苦情処理、社内報などの社内コミュニケーション制度、人間関係を扱う社会的技能修得のための管理者教育を含む各種の社内教育訓練制度などの普及という形でインパクトを与えた。

そして個人のモティベーションや、集団行動リーダーシップなどの組織の中の、人間行動研究の発展が、相当刺激されたことは確かなことである。

 

 

考察

  現代の日本企業の経営、人事・労務管理の問題に与える教訓を考えると、人事管理の主軸となる考え方は感情のコントロールのアプローチが重要である事が言えます

また組織の秩序を保つ事が大切になってきます。

 その感情のコントロールや秩序を保つためには、社内制度や規則の確立が必要でその規則(就業規則)が組織の中で機能するしくみを整える事が重要になると思います

具体的には、社内組織の中での人間関係のリスクマネジメントが必要です。

モラールハラスメントなどのハラスメントに対する苦情窓口創設やセミナーなど、学びの機会を与えるなど、正当な社内秩序を守ることが大切になります。

また、人事管理としてインフォーマルな組織で上手くいかない関係の両者を、部署移動などをはからいフォーマル組織に影響を与えないようにする仕組みが大切になると思います。

これも当事者が申告しやすい環境や仕組みを作ることが必要になると思います。

また企業の経営者が、全ての社員の心や感情のアプローチに気を配っているという事を、社員や、利害関係者に納得してもらう事が大切であり、社員教育を通して特に管理者に学んでもらい経営方針を共有する事が大切だと思います

 制度と意識の共有が必要だと思います。また社員のコミュニケーションを積極的に計らう事も重要で、社内新聞発行や、各種イベント(歓迎会、社員サークル、社員旅行)を行う事も大切になると思います。ストレステストの結果に対する改善アプローチ、組織人事異動など積極的に行い感情コントロールをしていくことが大切だと思いました。

 

ご清聴ありがとうございました。