学びの轍レポート

医療の専門家 経営情報の専門家として、学ぶことが進むべき轍と考えています。

ソーシャルキャピタルと地域社会

 パットナムの社会関係資本の概念を説明し、日本の社会資本の状況を述べたいとおもいます。

 

 はじめに、自分が思う幸せを述べたいと思います。自分の幸せを定義すると第一に、健康であることです。自分自身の健康と家族の健康、そして仲間たちの健康です。健康とはWHOによると「ただ単に病気や怪我をしていない肉体的な健康だけだはなく、社会的にも精神的にも満たされて完全な状態が健康である。」と述べられています。このように健康で完全に満たされることはとても難しいことです。

第二の幸せは、自分の生活にかかわる全ての人と信頼関係が構築されて、仲間たちと心通う暮らしができる事が幸せです。

第三は、戦争や紛争がなく犯罪などがなく安全に安心して暮らせることです。この三つが自分の思う幸せの定義です。

ソーシャルキャピタル社会関係資本)とは、社会学、政治学、経済学、経営学などにおいて用いられる概念です。パットナムが提唱した概念は、「哲学する民主主義」にて協調的行動を容易にすることにより、社会の効率を改善しうるとされ、信頼、規範、ネットワークなどの社会的しくみにに関する考えに特徴があり、「孤独なボウリング」では、「社会関係資本が示しているのは、人と人とのつながりです。すなわち社会的ネットワークやそこから生じる互酬性と信頼性の規範であると述べられています」

つまり人々の間のインフォーマルなつながりによる一般的な信頼が社会における資本ととらえ高い信頼関係がよきガバナンスを実現し、さらに地域経済の活性化につながっていくということです。

地域活動やボランティア、クラブなどを通じて一般的な信頼が醸成されます。それらが社会関係資本となり、公共性の実現とよきガバナンスの実現となり、協力行動や起業行動に関連していくものと考えます。

人と人の結びつきが社会構造を円滑にすることができ社会問題の解決策の一つになります。

次に、現在の日本の社会資本について考えていきたいと思います。大震災などの生死をかけた緊急時に、この社会資本は発揮できるのではないかと思います。

行政の動きより地域のネットワークによる協力体制や情報提供などが先に機能していたと思います。日本人の気質と社会資本がうまく機能することにより貴重な少ない資源の分配などもうまくいったのではないかと考えます。

 

また、うまく社会資本が機能していない例として、孤独死があると思います。18人に一人は孤独死だそうです。核家族化や近所付き合いの崩壊などが原因であると思いますが、地域の高齢者のネットワーク不足によるものだと考えます。

また、いじめなどの社会問題は、一言で原因を述べることはできませんが、学校だけに子供の教育を任せている現状にも原因の一つになると思いす。

学校を中心として地域や父兄の関わり合いすべてのネットワークが機能していないことも原因のひとつになると思います。

また、健康増進の観点からも、社会資本と関わることにより運動する機会を得ることができるようになります。コミュニティに参加する人としない人との健康格差が生じると思います。

地域の防犯の点から考えると地域ネットワークが、機能している所の犯罪件数が少ないとの報告もあります。

自殺の問題も鬱や、経済問題などいろいろありますが、人との信頼関係がうまく構築されていれば防ぐこともできるであろうと思います。

心が通うものが大切であります。このように、社会資本は人の生きていくうえで幸せに暮らすためのキーワードになると考えます。

ここで自分の幸せの定義と社会資本を考えてみたいと思います。人は信頼された絆で結びついた仲間で過ごす事はとても心地良いものです。

このような環境下でいると仕事も能力以上のものが発揮できます。また精神的にも安定し心が満たされ健康になれます。

また人々と心通う事に幸せを感じる事ができると、社会問題が解決されていくでしょう。このような絆が達成できれば幸せになる事ができると思います。

個々の絆から社会の絆へ広げていき、皆が幸せになる為のキーワードに、社会関係資本が大きく関係があると考えます。

行政など縦のつながりを社会資本が横のつながりを即し効率よく政治が行われていくものだと思いました。

現在の日本の状況は上記のように社会資本がうまく機能しているとは思いません。積極的に取り組んでいる地域人と、全く意識していない個人や組織では格差があります。皆が幸せに暮らす課題がこのソーシャルキャピタル社会関係資本)にあるのではないかと思います。

 

ご清聴ありがとうございました。