ソーシャルキャピタルと地域社会
パットナムの社会関係資本の概念を説明し、日本の社会資本の状況を述べたいとおもいます。
はじめに、自分が思う幸せを述べたいと思います。自分の幸せを定義すると第一に、健康であることです。自分自身の健康と家族の健康、そして仲間たちの健康です。健康とはWHOによると「ただ単に病気や怪我をしていない肉体的な健康だけだはなく、社会的にも精神的にも満たされて完全な状態が健康である。」と述べられています。このように健康で完全に満たされることはとても難しいことです。
第二の幸せは、自分の生活にかかわる全ての人と信頼関係が構築されて、仲間たちと心通う暮らしができる事が幸せです。
第三は、戦争や紛争がなく犯罪などがなく安全に安心して暮らせることです。この三つが自分の思う幸せの定義です。
ソーシャルキャピタル(社会関係資本)とは、社会学、政治学、経済学、経営学などにおいて用いられる概念です。パットナムが提唱した概念は、「哲学する民主主義」にて協調的行動を容易にすることにより、社会の効率を改善しうるとされ、信頼、規範、ネットワークなどの社会的しくみにに関する考えに特徴があり、「孤独なボウリング」では、「社会関係資本が示しているのは、人と人とのつながりです。すなわち社会的ネットワークやそこから生じる互酬性と信頼性の規範であると述べられています」
つまり人々の間のインフォーマルなつながりによる一般的な信頼が社会における資本ととらえ高い信頼関係がよきガバナンスを実現し、さらに地域経済の活性化につながっていくということです。
地域活動やボランティア、クラブなどを通じて一般的な信頼が醸成されます。それらが社会関係資本となり、公共性の実現とよきガバナンスの実現となり、協力行動や起業行動に関連していくものと考えます。
人と人の結びつきが社会構造を円滑にすることができ社会問題の解決策の一つになります。
次に、現在の日本の社会資本について考えていきたいと思います。大震災などの生死をかけた緊急時に、この社会資本は発揮できるのではないかと思います。
行政の動きより地域のネットワークによる協力体制や情報提供などが先に機能していたと思います。日本人の気質と社会資本がうまく機能することにより貴重な少ない資源の分配などもうまくいったのではないかと考えます。
また、うまく社会資本が機能していない例として、孤独死があると思います。18人に一人は孤独死だそうです。核家族化や近所付き合いの崩壊などが原因であると思いますが、地域の高齢者のネットワーク不足によるものだと考えます。
また、いじめなどの社会問題は、一言で原因を述べることはできませんが、学校だけに子供の教育を任せている現状にも原因の一つになると思いす。
学校を中心として地域や父兄の関わり合いすべてのネットワークが機能していないことも原因のひとつになると思います。
また、健康増進の観点からも、社会資本と関わることにより運動する機会を得ることができるようになります。コミュニティに参加する人としない人との健康格差が生じると思います。
地域の防犯の点から考えると地域ネットワークが、機能している所の犯罪件数が少ないとの報告もあります。
自殺の問題も鬱や、経済問題などいろいろありますが、人との信頼関係がうまく構築されていれば防ぐこともできるであろうと思います。
心が通うものが大切であります。このように、社会資本は人の生きていくうえで幸せに暮らすためのキーワードになると考えます。
ここで自分の幸せの定義と社会資本を考えてみたいと思います。人は信頼された絆で結びついた仲間で過ごす事はとても心地良いものです。
このような環境下でいると仕事も能力以上のものが発揮できます。また精神的にも安定し心が満たされ健康になれます。
また人々と心通う事に幸せを感じる事ができると、社会問題が解決されていくでしょう。このような絆が達成できれば幸せになる事ができると思います。
個々の絆から社会の絆へ広げていき、皆が幸せになる為のキーワードに、社会関係資本が大きく関係があると考えます。
行政など縦のつながりを社会資本が横のつながりを即し効率よく政治が行われていくものだと思いました。
現在の日本の状況は上記のように社会資本がうまく機能しているとは思いません。積極的に取り組んでいる地域人と、全く意識していない個人や組織では格差があります。皆が幸せに暮らす課題がこのソーシャルキャピタル(社会関係資本)にあるのではないかと思います。
ご清聴ありがとうございました。
エビデンスという言葉を浸透させる必要性
少し前のブログに、エビデンスに基づく医療情報と記しました。そのパート2です。
よく病院の診察室で、専門医師に自分の見解と病気などについて質問相談などをしています。その中で、自分でインターネットなどで間違った情報を鵜呑みにして、専門医師の治療方針に対して、他ではこのように書いてあったとか、有名な誰それがそ~言っていたとか専門医師と押し問答している光景があります。せっかくエビデンスに基づき専門医師として治療を開始しようとしているのに、患者自身が間違った情報に振り回されていて、その為、専門医師が困ってしまっています。
膨大な研究と、臨床経験と、学会などのセミナーを受けている専門医師の知識を、根拠のないインターネットの情報を鵜呑みにした患者との情報格差がとても問題になっています。
そこで、何故このような情報に惑わされてしまうのか考えてみます。エビデンスという言葉を理解している人ならこのような事は起こりませんが、医療従事者でもエビデンスを知らない人もいます。ここで思うのが、エビデンスという言葉の意味が普及していないのでしょう。
それから、インターネットを正しいと思いこんでいる人がとても多いからなのでしょう。
そこで解決策は、エビデンスに基づく健康情報を社会的に認知してもらい、日常の医療の健康の話をするときに、エビデンスではこうだとか、エビデンスにはないけどなどを必ず付け加える習慣を持ちたいものです。
マスコミなどで時間とともに普及するにはもう少し時間がかかりそうです。
ぜひこの学びの轍レポートのエビデンスに基づく健康情報をお読みください。
ご清聴ありがとうございました。
成果と稼働の混同
成果と稼働を混同しないように
ビジネスなど仕事で、色んな活動や行動をしています。その中で、今自分がしていることを深く考えることなく、今必要なことだと思いこみ、業務などの活動をしがちです。ここで一つ考えてみたいと思います。
今、行っている業務や活動は、本当に成果に結びついているのか、それとも、ただ稼働しているだけで、成果に結びついていないのではないだろうか、一生懸命無駄な事をしていないだろうか、振り返って見る必要があります。
常に、自分の活動の成果を、最初に決める事が必要です。自分の業務や、ビジネス活動の結果どのようになれば、成果が得られるのかを、常に頭の中で考えながら、生産性のある活動を行わなければいけません。単なる自己満足の活動になっていないか、常に把握しなければいけません。
PDCAサイクル
最近、医療安全など社会的に問題になっています。各医療機関が医療安全委員会などを立ち上げ、医療事故を無くす為の活動を行っています。その中で、インシデント、アクシデントレポートなどを作成しています。今月は沢山提出されたとか少ないとかです。他にも色んなデータなども記録されています。これはまさに稼働です。
決して、データーや、インシデントアクシデントレポートを作成する事が、目的ではありません。医療事故を減らす事が成果なのです。
成果を達成する為には、データーを読み解き、何故事故が起きてしまったのか、仮説検証をしなければいけません。そしてその事故を起こさないようにする為の、方法論が必要となります。その仮説検証に基づき、新たに対策を行い、その対策後に起きた事故について、更に、データーをもとにプランを立て、それを行い、チェック検証し、さらに行動するといったPDCAサイクルを回す事が必要です。
目的となる成果に達成できるまでの方法論を変化させることも必要で、このPDCAサイクルをさらに回しチェンジマネジメントを行う事が必要となります。
ご清聴ありがとうございました
リーダーに必用なコミュニケーションとは
コミュニケーション力とは
コミュニケーション能力とは、話がうまいとか、下手だという事ではありません。
ここでいうコミュニケーションとは、相手に自分の考えている事や、気持ちを伝える事ができるかという事です。つまり相手に伝わるかどうかという事です。
過去1年間に、ビジネスでの過ちを考えてみます。その原因は?、そして結果は?
何もないという事は、何もしていないことと同じです。なぜなら、人間は間違えるものだからです。
では、どうしたら避ける事ができたでしょうか? コミュニケーションが、今回のテーマです。そのビジネス上の過ちはコミュニケーションによって避ける事ができるのではないでしょうか?
個人その物だけではなく、組織としての問題で、組織上の問題としてコミュニケーションによる原因を追究をしてみます。
何か目的に向かってビジネスを行っています。そこで多くのもんだいが発生します。
ほとんどの問題が、コミュニケーションによって解決できるのではないでしょうか。
リスクマネジメントにおいて(何か問題なことを回避する方法論)コミュニケーションの重大性を経験してきました。マネジメントの中核はコミュニケーションであると思っています。
いい質問された時は、相手に伝わっているのです。つまりコミニュケーションできているというい事になります。
能力あるコミュニケーションとは?
人間にとってコミュニケーションは本質であり、コミュニケーション能力のないリーダーは存在しません。
リーダーに必要なスキルは、コミュニケーションスキルだといえます。
話す相手の組織や背景を理解し、相手をリスペクトし、どれだけの情報量をどのタイミングで行うのかを考えます。
そしてコミュニケーションツールを考えます。
言葉なのか、他の媒体によって伝えるのか、またはSNSや他のメディアなどを通すか考えます。ビジネスにおいてコミュニケーション戦略となります。
リーダーに必要なもの
コミットメント、ビジュアライズ、タイムライン
優秀なリーダーは、常に、コミットメントを示します。
あることを目標にビジネスを行います。
しかし、目標に達成できなかったら自分は責任を取りますという事です。責任を取らないリーダーは存在しません。
このことを示す事が必用です。
ビジュアライズとは、コミュニケーションを行う相手すべてに、自分の押し進めるビジネスによって、近い将来どのようになっているかを予測できるように映画のシーンのように思い描け想像することが出来るコミュニケーションです。
もしビジュアライズできたら、関わる全ての人が目標を理解しやすくそしてそこにたどり着くための個々の行動の具体性が湧いてきます。
タイムラインは、いつまでに目標達成するか示す事です。
何年後にはこうなっていますと示します。
この3つがリーダーとして必要なコミュニケーション力となります。
決して自分の好き嫌いでコミュニケーションしてはいけません。
起業など、法人経営する者は、いかに機能するコミュニケーションが必用です。
ただ人がいいのでは成り立ちません。
ビジョン、ミッション、ドメイン
組織運営や起業においてリーダーの独断で、ビジョンが決定されます。ビジョンを示す事がまず重要です。そのビジョン決定が羅針盤となります。
ミッションは、そのビジョンが何の為に存在しとのように遂行するかという事です。
ドメインは、どの立ち位置(ポジション)で戦うかを決める事です。
ご清聴ありがとうございました。
小学生のサッカーポジション
少年サッカーを見ていると、最近8人制などボールに触れる機会が増える試合が行われとても良いと思います。
大人と同じで11人制サッカーでポジションを決めて、専門的に練習している光景をよくみます。試合を観戦しにいくといつも同じレギュラーメンバーが、同じポジションでいつもプレーしています。
本当にこれでいいのでしょうか?
子供のサッカーは、沢山色々な事にチャレンジして、失敗して、その失敗からなぜ上手くできなかったか学び、次の機会に出来るように頑張る事が練習なのではないでしょうか?
試合に勝つことだけを目的にすると、どうしても専門的に、ポジションを決めて練習してしまいます。
もし、子供のときに、ディフェンスを経験し、相手のフォワードの動き、相手とのゴールコースの潰し方などを経験したならば、自分がフォワードになったときの、シュートコースの作り方、スペースの作り方が理解出来るようになるでしょう。またゴールキーパーを経験すれば、シュートの感覚を理解できるでしょう。またゴールキーパーを目指していたとしても、ディフェンスを経験すれば、キーパーとの位置関係やコミニュケーションのとり方などが、理解できますし、フォワードを経験すればシュートコースの感覚やボールコントロールが上手くなります。
このように、一流選手になるためには、いろんなポジションの経験が必要だという事です。
また試合に勝とうとすると、いつも得意な事しかしなくなります。
例えば、利き足ではない苦手な足で、ボールをけるなどしなくなります。両方の足で同じようにボールを蹴れなければ、一流選手になれません。
得意でない足でも、あえてチャンスがある時はあえて苦手な足で、シュートやパスをしてみる。そんな姿勢が非常に大切です。
是非、小学生の時代は、ポジションを専門的にせず、勝利することをただ目的にするのではなく、いろんなプレー、ポジションを経験する事を目的に指導して行く事が必要だと思います。
そして、ゴールキーパーを含め全てのポジションを経験し、ユース年代になって初めて、自分の特徴を活かせるポジションを決めプレーする事が、必要だと思います。
また、勝利主義に走ると同じメンバーばかりを試合に出し、補欠メンバーがなかなか試合に出れません。これでは、プレー経験値の差が出てしまい、補欠は何も経験できません。
そして、エース的な選手は、何試合も試合に出され、肉体的に過剰負荷となり、スポーツ障害の原因になってしまいます。
一番大切な事は、成長過程の子供は色んなポジションを経験して、過剰な試合数を行わせず、スポーツ障害にならないように体を守ってあげなければいけません。
ご清聴ありがとうございました。
子供のトレーニングに負荷は必用ありますか?
よくサッカーなどで、クラブチームが毎日練習しています。
大人など高校生以上なら理解できますが、小学生などに激しいトレーニングをしている現場を目にします。
ここで激しいトレーニングとは、サッカーなら膝や足首、野球なら肩や肘などに長時間負荷をかけ、必要以上のストレスの荷重を与える事です。
スポーツ指導者の多くに、長い時間激しいトレーニングをすればうまくなると思っている人がみられます。ここでは、ゴールデンエイジと言われる小学生の過剰トレーニングについて述べたいと思います。
まず大人と子供の骨の違いを見てみましょう。
下のレントゲン写真は10歳の子供の膝の写真です。膝の関節の上に骨折のように見えるのが成長線(骨端線)といいこどもの骨の特徴です。
次のレントゲン写真は17歳の膝の写真です。上の写真と比較してみてください。
まだうっすらと成長線がありますが上の10歳のレントゲンと比べてしっかりした骨になっています。
このようになかなか子供の骨を見る事はできません。
ゴールデンエイジの子供の骨は非常に弱いのです。骨はこれからどんどん長く太くなろうとしています。そんな成長盛んな時期に、大人と同じような負荷をかけた練習は、子供にとって過剰負荷ストレスとなり、骨や軟骨の障害が起きてしまいます。
このレントゲン写真は10歳の肘の写真です。同じように成長線があります。
このレントゲンは17歳の肘のレントゲンです。まだ弱そうな骨ですが成長線はありません。
ゴールデンエイジは一部の関節に過剰な負荷をかけると、関節周辺の軟骨を壊したり、成長線を壊したり、靭帯を炎症させてしまいます。
スキャモンの発育曲線に見られるように、ゴールデンエイジは神経系に作用するトレーニングメニューが必要だといえます。
決して関節に過剰負荷をかけてはいけません。
ご清聴ありがとうございました。
コーチングとスポーツマンシップ 仁
もう聞き慣れた言葉で「コーチング」です。
この言葉の意味はとても深いです。
また、「スポーツマンシップ」という言葉について考えてみました。
コーチングするには、スポーツマンシップを身に着けたものしか行えないと考えています。
コーチングとは、「人材開発技法の一つで、対話によって相手の自己実現や、目標達成を図る技術であるとされます。相手の話をよく聞き(傾聴)し、感じたことを伝えて承認し、質問することで、自発的な行動を促すとするコミュニケーション技法です。」とウィキペディアに書いてあります。なんとなくわかる気がします。
次にスポーツマンシップについて考えてみます。
スポーツマンシップとは誰でも一度は聞いたことがある言葉です。しかし本当の意味を理解することなく使ってしまう言葉です。ここで、自分が理解しているスポーツマンシップについて述べたいと思います。
自分は小さいころから、サッカーをしているので、サッカーを例に考えてみます。
サッカーは一人では、リフティングくらいしか楽しめません。ゲームを行うには、競技人数の仲間と、対戦相手、審判などが必用です。
また、サッカーの試合を楽しいものにする為には、相手が弱すぎても、極端に強過ぎても楽しいプレーはできません。
また審判が、公平にジャッジしてくれなかったら、面白くありません。このように相手、審判によって試合が良いものにも悪いものにもなるという事です。
またルールを守らなかったら、試合になりません。
そこで、まずルールを守り尊重する事が必用になります。また審判にばれなければいいというズルい考えなど、マナーが必用です。また審判のジャッジに文句を言う事などはマナー違反です。審判が真摯にジャッジすることと同時に、審判に対して尊重することが必用になります。
そして、試合には必ず勝者敗者があります。試合勝ってうれしいと思うときは、相手がとてもいいプレーヤで強かったが、勝つことができた時です。そこに喜びがあります。相手のおかげで自分も頑張れたし、成長できたと思います。
また負けた時は、自分より相手のほうが強かった、うまかった、自分の弱さを教えてくれた。そう思うと相手のおかげで次の目標が出来たことになります。
勝った時負けた時どう思い考えるかが大切です。
対戦相手を尊重することで、自分が成長できるのです。
そして、相手、審判、ルールを尊重できる人になり、負けた時でも他人のせいにして腐った態度をとるのではなく、試合にありがとうの気持ちを抱ける人になれたならば、皆からも尊重される良い仲間になれるのです。このようにお互い尊重でき、良い仲間になることでプレーも成長出来、人間的にも成長できるのです。
これらは、全ての人に強要されるのではなく。自分の強い意志で行動できるという事です。
このような事を重んじる事がスポーツマンシップだと理解しています。
このスポーツマンシップは、スポーツだけではなく、人間社会での必用不可欠なスキルだと考えています。
コーチングを行う環境を考えてみます。コーチングを行うものとコーチングされるものとの信頼関係構築が必用不可欠であり、お互いに尊重し合える環境が必用です。
お互いの意見の違いはあるかもしれません。相手の考えを理解しようとする心、納得はできなくても、相手の立場や考え方は理解できる。そんな関係が必用で、関わる全ての人の共通理解が必用です。
体罰について
このようにスポーツマンシップを理解したならば、体罰はあり得ません。自分の意思で努力しなければ、何も成長しません。
コーチングと子育て
子育てとコーチングは似たようなものだと考えています。
自立させ強要するのではなく、自分の意思で成長しようとするように導く事が同じではないでしょうか。そこには、長い時間をかけたコミュニケーションが必用で、尊敬される存在にならなければいけません。
コーチングができるしかく
幸せになるありがとうの言葉
スポーツに限らずしあわせになるためにも、感謝の言葉、ありがとうがいえる。そして自分が怒った時ほど、ありがとうが言える事が幸せになれるためのキーワードです。
仁の意味
思いやり 自分がされたらいやなことをほかの人にしない
利己的欲求をおさえて礼儀をとりおこなう事です。
己に勝つ。
思いやりの心を自分の意思で貫く。
ご清聴ありがとうございました。
感情のコントロールアプローチと経営
現代の組織の中でコミュ二ケーションが特に大切です。組織の人間関係が生産や経営の全てに影響を及ぼしています。このことを理解する上で論理的に学んだことを記したいと思います。
そこで、アメリカ経営学における人間関係論の代表的な研究をいくつか紹介します。さらにそこから、現代の日本企業の経営で特に人事・労務管理の問題に与える教訓を考えてみたいと思います。
人間関係論の研究者と代表的な研究
メーヨーの生涯と業績
メーヨー(George Elton Mayo1880‐1949)
産業社会学者。オーストラリアのアデレードに生まれる。アデレード大学で医学,心理学を専攻、1911 年にクイーンズランド大学の論理学、倫理学、心理学の講師となり、19 年には新設の哲学講座の教授になった。
22 年にアメリカに渡り、ペンシルベニア大学の研究員を経て26 年にハーバード大学ビジネス・スクールに招かれ29 年から 47 年まで教授として調査研究と後進の指導に大きな貢献をした。
最初は産業心理学や産業生理学の立場から産業における人間個人の諸問題を研究していたが、ホーソン実験Hawthorne experiments を契機に産業における人間関係の分析に研究を発展させた。
この実験は、シカゴのウェスタン・エレクトリック社のホーソーン工場で 1927 年から 32 年に行われた。
産業心理学の手法を使い、作業の物理的環境や生理的諸条件が、生産能率に与える影響を究明することが当初の目的であった。
しかし従来の定説をくつがえすような結果があらわれ、その意味でこの実験は失敗であった。そこでメーヨーはじめハーバード大学のレスリスバーガーたちの指導により、ひきつづき 5 年以上の実験の結果、
生産能率に従業員の態度や感情が大きな影響を与えることがあることと、それが企業内の人間関係と密接に関連しているという〈社会心理的要因〉の重要性を実証した。
この一見あたりまえのことを科学的に立証し、これによって企業内の従業員の行動や態度を理解する〈人間関係論〉という新しい立場を開拓し、その重要性を認識させたところにこの実験の画期的な意義がある。
ホーソン実験(1924年~1932年)
ウエスタンエレクトリック社のホーソン工場での実験
1.照明実験(1924年11月~1927年4月)
国立科学アカデミーの全国学術調査協会のイニシアチブで行われた。照明の質・量が作業能率にいかに影響するかの実験であったが、予想に反して,照明と作業能率には有意味な関係を発見できなかった。そこで、照明だけではなく、室内の温度、湿度、睡眠時間、食事、休憩時間、賃金の支払い方法などの作業条件を加味して実験したが、これらが能率や製品の品質に対して有意味な関係を発見することができなかった。この予想外の結果を解明するために,エルトン・メイヨーやフリッツ・レスリスバーガーらのハーバード・グループが招かれて実験に加わることになった。
2.継電器組立実験(1927年4月~1932年月)
6人の女子工員を対象に,各種の物理的作業条件と作業能率の関係を調べたがここでも作業能率はこれらの作業条件とは無関係に変化し続けた。そこからメイヨーらは次のような結果を得ることができた。
①従来の強圧的な監督に代わって寛大な民主的な監督がおこなわれ、とくに作業中の自由な会話が許されたことによって心理的な満足が生じた。
②また自ら重要な実験に協力しているという参画意識が生まれた。
③さらに親密な自発的グループが発生したことによって会社に対する協力的な態度が生まれた。
3.面接実験(1928年9月~1930年5月)
職場における監督方法の改善を意図して、合計21,126人の従業員を面接し、かれらの不平や不満を分析した結果、次のことが明らかになった。
従業員の態度は感情の体系によって支配されており、この感情の体系は個人的経歴や、社会的組織を通じて形成され、表現されるのであるから、かれらの態度を理解するためには、かれらを集団的・社会的な全体状況のなかでとらえなければならない。
4.バンク巻取実験(1931年11月~1932年5月)
集団請負制で働く3種類の作業集団を観察調査した結果、組織には明文化された公式組織のほかに、自生的な非公式組織が存在し、これが企業が示す規範とは、別の集団規範をその成員に課しており、かれらはその規範にしたがって生産高の抑制をしていることが分かった。
(1)作業能率に影響を与えるのは、労働者の感情である。
(2)この感情に影響を与えるのは、非公式組織(インフォーマル組織)である。
メーヨーの基本理念
『産業文明における人間の問題』
人間関係論は実際界にも、モラール・サーベイ(士気調査)や人事相談制度のみではなく、提案制度や苦情処理、社内報などの社内コミュニケーション制度、人間関係を扱う社会的技能修得のための管理者教育を含む各種の社内教育訓練制度などの普及という形でインパクトを与えた。
そして個人のモティベーションや、集団行動リーダーシップなどの組織の中の、人間行動研究の発展が、相当刺激されたことは確かなことである。
考察
現代の日本企業の経営、人事・労務管理の問題に与える教訓を考えると、人事管理の主軸となる考え方は感情のコントロールのアプローチが重要である事が言えます。
また組織の秩序を保つ事が大切になってきます。
その感情のコントロールや秩序を保つためには、社内制度や規則の確立が必要でその規則(就業規則)が組織の中で機能するしくみを整える事が重要になると思います。
具体的には、社内組織の中での人間関係のリスクマネジメントが必要です。
モラールハラスメントなどのハラスメントに対する苦情窓口創設やセミナーなど、学びの機会を与えるなど、正当な社内秩序を守ることが大切になります。
また、人事管理としてインフォーマルな組織で上手くいかない関係の両者を、部署移動などをはからいフォーマル組織に影響を与えないようにする仕組みが大切になると思います。
これも当事者が申告しやすい環境や仕組みを作ることが必要になると思います。
また企業の経営者が、全ての社員の心や感情のアプローチに気を配っているという事を、社員や、利害関係者に納得してもらう事が大切であり、社員教育を通して特に管理者に学んでもらい経営方針を共有する事が大切だと思います。
制度と意識の共有が必要だと思います。また社員のコミュニケーションを積極的に計らう事も重要で、社内新聞発行や、各種イベント(歓迎会、社員サークル、社員旅行)を行う事も大切になると思います。ストレステストの結果に対する改善アプローチ、組織人事異動など積極的に行い感情コントロールをしていくことが大切だと思いました。
ご清聴ありがとうございました。